TRICK 劇場版、見てきました。いやぁ、面白かった。
超常現象を扱った最近の映画では、ナイト・シャマラン監督の『サイン』 (Signs) を観たばかりで、こちらも面白かったのだが、一般には「ハァ?」という反応が多かったようだ。観客のスタンスを宙づりにしてしまう、まったく油断のならないところが魅力なんだと思うんだけれど。
いっぽう、「TRICK」は、テレビシリーズもそうだったが、超常現象に対してそういう深遠な扱い方はしていない。観客は容赦なく笑い飛ばし、そのインチキや暴力への糾弾、制裁に喝采することができる。だが、その裏に込められた願いや欲望といった、人間の業に対する真摯なまなざしは忘れないように描かれている。それにホッと安心し、少しジワッと来る (そこに鬼束ちひろのエンディングテーマがピタリとハマる)、そういう世界だ。
こういう世界観で超常現象を受けとめている文化はそれなりの広がりを持っていると思うんだが、どう名づけたらいいんだろうか。
それから、いわゆる「トリック」のほうは、テレビシリーズより少しだけパワーアップしていた。確率のトリックは、なんだか「伊東家の食卓」みたいだったけど。
Posted by Hiroyuki KUROSAKI at 2002年12月03日 11:47サイン・インを確認しました、 さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)
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