永崎研宣さんから新刊の『OpenOffice.orgで学ぶコンピュータリテラシー』をいただいた。
中村正三郎さんのブログにも記事が上がっていた。→OpenOffice.orgで学ぶコンピュータリテラシー、OpenDocument、ハードウェア・ウェブ・サーバ: ホットコーナーの舞台裏
編著者の永崎さんは、哲学/倫理学/宗教学関係国内リンク集の管理者として、人文系のコンピュータ・インターネット利用者の間ではつとに有名な方だ。宗教情報リサーチセンターや、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所でのご経験がふんだんに盛り込まれたご著書もあり (『文科系のための情報発信リテラシー』、東京電機大学出版局)、この道を着実に歩まれているお姿には頭が下がる。
本書は、学生向けの授業用テキストとして編まれたものらしいが、スクリーンショットが多く、操作手順もかなり丁寧に記されていて、独学にも向いている。
そして、何と言っても本書の特徴は、オフィスソフトとしてオープンソースの OpenOffice.org を採用しているところだ。まえがきには次のようにある。
そもそも、コンピュータリテラシーとは、日進月歩のコンピュータ環境を憶(ママ)することなく適切に利用できる“ちから”であり、特定のソフトウェアの特定のバージョンの使い方を覚えることに終始する必要はありません。そのようなことから、本書では、特定のソフトウェアの使い方にこだわらずに、現在必要とされているコンピュータリテラシーを習得してもらうために必要な知識・技術・コストについて検討した上で、OpenOffice.org 2.0を主な教材として採用しました。
これは大学のコンピュータ環境としては思い切った決断だ。ふつうは問答無用で、あるいは就職後のビジネスユースや相互運用性などに配慮して Microsoft Office を採用するところが多いと思う (私の経験でもそうだった)。ただ、本書では「MS-Officeとの違い」というコラムが随所にはさんであって、互換性にも注意が払われている。
永崎さんにうかがったところでは、ご勤務先の山口県立大学では順次、コンピュータ教室環境を Microsoft Office から OpenOffice.org に移行し、授業でも OpenOffice.org を利用しはじめているとのこと。
また、「大学教員の日常・非日常:オープンソースへ」という記事経由で、岐阜大学でも導入の動きがあることを知った。
こうした動きが今後広がっていくのか、また導入した大学での学生の反応などにも注目していきたい。
肝心のことを書き忘れていた。
OpenOffice.org の日本語サイトはこちら。
http://ja.openoffice.org/
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