原書はずいぶん前に買っていたが、そのまま積ん読になっていた。最近ある研究会でこの本の邦訳が出ているという話をうかがい、あらためて邦訳を手にとった。
訳者の柴内康文氏はCMC (Computer-Mediated Communication) 研究の方として記憶していたので意外な感じがしたけれど、「訳者あとがき」を読んで納得。そして、この本のキーワードである「社会関係資本」についての日本での研究に、インターネット関連のものがいくつかあることも紹介されていて、しかもそれらの本もすでに入手して積ん読になっているのを再発見して、ああっ、やっぱり買ったらすぐ読まなきゃな、と反省させられた。
内容についてはあらためて (読了してから) 紹介したい……。
宗教についての「問い」を中心に立てて、自分で考えることを促す、ということを第一の目標に掲げて編集された、初学者向けの宗教学入門テキストです。知識詰め込み型、もう少し穏やかな言い方をすれば情報提供型のテキストとは対極にありますが、それでも参考文献リストや相互参照、索引が完備されているので、理論や事例についての知識を得るための拾い読みももちろんOKです。
一般の書店にも並ぶと思いますので、ぜひ手にとってみてください。
私もいくつかの項目を執筆させていただきました (4章28(葛西氏と共同執筆)「宗教の社会行動、宗教NGO」、5章28「政教分離とナショナリズム」、29「戦死者の慰霊・追悼、モニュメンタリズム」、6章37「メディア・情報化と宗教」、38「家郷の喪失・回帰と宗教」)。
10月1日にブリスベンで川端さん、渡辺さんと別れて単身メルボルンへ移動した。
2日はメルボルン博物館 (ここの展示はすごく見ごたえがある!) や戦争慰霊館 Shrine of Remembrance を回り、3日は郊外のクレイトンという町にあるモナシュ大学の日本研究センターを訪問し、そこでオーストラリアでの日本文化研究の動向などについてうかがった。お話を聞きながら、オーストラリアと日本とのつながりだけでなく、オーストラリアとアジア全体とのつながりの強さにも思いを馳せた。そういえば、メルボルン滞在中3日のうち2日は、体調管理のため夕食にベトナム料理を食べていた。
そして昨日無事帰国。